ピアノの口棒(鍵盤の手前の横長の木のことです)の傷の修理をしました。


お客さまから預かってきた部品なのですが、いったいどんなぶつけ方をしたのでしょう。鍵盤蓋や鍵盤も含めて周辺の部分はとても綺麗なのですが、ここだけ抉れるように傷が付いているのです。


このピアノは他の修理もあってアクションを預かってきていたので、この口棒の傷修理はなんと無料サービスでさせていただきました!!



ポリエステルの塗膜の下まで掘れて木が見えています。周辺のバリを滑らかにして、パテで埋めて平面出しをします。



そうしたらその上から黒の塗料を丁寧に塗っていきます。 パーツやパネルの一面を全部塗る場合には大きなコンプレッサーとエアガンを使いポリエステルやポリウレタン塗料で厚く塗るのですがですが、ピンポイント補修なのでプラモデルなどを塗るようなエアブラシを使いラッカー塗料で塗っていきます。



さて、何回か重ね塗りしてパテの色が全く見えなくなりました。 傷の周辺をやや広めに塗っていきます。



しっかり乾燥させてから、最後の艶出しの工程です。 新たに塗装したところと元の塗膜の表面の境目が分からなくなるくらいに丁寧に磨いていきます。



これで完成!!

どうです? なかなか良い仕上がりでしょう?!


無料サービスの修理でも手を抜きませんよ!


お客さまもツルツルになった部品に、どこに傷があったのか分からない!と驚いてくれました! 何より嬉しい反応です(^^)


傷の修理、大好きなのです。ピアノがピカピカ綺麗になって、僕自身とても嬉しかったです!




だいぶ日記をさぼっておりました。 一年も前の出来事です。 とても嬉しいことがありました♪ とあるお客様のお家に調律に行った時のこと。 小学校高学年の男の子がピアノを弾いているお家なのですが、その男の子に素敵なお土産をいただきました。 ちょうりつしさんへコクワガタ うちの息子が昆虫に今日もがあることをお話ししたら、調律をしている間にこんなに親切かつかわいらしいプレゼントを用意してくれたのです! とても親切な説明書付きの、コクワガタの飼育セットでした! この時点でまだうちの子はクワガタもカブトムシも飼ったことはなく、庭の木で捕った蝶々を羽化させたことがあったくらいでした。 それがついに憧れのクワガタムシが我が家に来たのです! それも成虫も幼虫も!! (しかも幼虫はこの男の子が去年卵から孵したという、飼育上級者でした!) そもそも僕はというと、つくば市の西のはずれの森と畑と芝畑に囲まれた田舎で育ったのですが小さいころから虫が苦手で、息子ができてからやっと虫に触れる機会を持って右往左往しているところなのです。 そんなものなんで虫に興味津々の息子をサポートしてあげたい気持ちはありつつも、どこから手を付けてよいのか分からず困っていたところなのです。 それがこんな形で背中を押してもらえて、結果ここから息子と妻の(僕ではなく妻の)虫ライフがスタートしたのでした。 コクワガタ2 そのあとは我が家の虫の大小の飼育ケースが日に日に増え、そのお客様に教えてもらったつくばの採取ポイントでコクワガタを追加で捕獲し、家の近くの公園やお寺や神社のクヌギの木を探してさまよいついにカブトムシにたどり着き、息子の(圧倒的に妻の)世話のおかげでカブトムシが卵を産み、元気な幼虫が30匹くらいになり、さらにいくつか幼虫専用のケースが増え、丸々太った幼虫が数匹ずつお友達の家に里子に行き、今年またその幼虫たちが続々サナギになって、脱皮して成虫になったと思ったらあっという間に幾つもの新しい卵が出現し、その幼少期には知らなかった生命のループを今になって実感、そして感動しているところです。 そして小学一年生になった息子は先生にお願いしてカブトムシとコクワガタの飼育ケースを教室に置かせてもらい、愛すべき虫たちはクラスメイト達にワクワクを与えてくれているのです。 というのが、きっかけとなってくれた優しい虫博士の男の子が与えてくれた、我が家の虫とともに歩んだ一年でした。  息子が楽しい昆虫ライフを送れるようになった、おかげさまの優しい昆虫博士に感謝!(^-^)

今日の読書はトルストイの「戦争と平和」。 コロナ禍になるころ久しぶりに読み始めてちょっと他のを挟みましたが、今日やっとエピローグ。 初めて読んだのは20年前くらいでしたが、それから数度読み返して今では一番好きな小説です。(同じトルストイのアンナ・カレーニナと並んで。)


でも読み返すたびに新しいところに感動したりします。 今日感動したのは、


1812年、ナポレオン率いるフランス軍はモスクワ侵攻したものの冬に耐えきれず撤退する場面で、それを追うロシア軍と捕虜になったフランス軍の兵士たちが、寒い夜の雪の森の中、焚き火を囲んでお互いの国の歌を歌い合う。敵も味方もどちらにも笑顔とお互いへの敬意が自然にわいてきて、


「やっぱり同じ人間だよ」と、年寄りのひとりが外套にくるまりながら言った。「胡瓜のつるに茄子はならねえものよ」

「ほう!こりゃすげえや!どうだね、あの星の数は!冷え込むぞ…」そして、みなしずかになった。

星は、もうだれも見ていないことを知っているように、黒い空でふざけていた。ぱっと燃えたったり、すっと消えたり、ちかちかゆらめいたりしながら、星たちはせわしげに何か嬉しそうな、しかし神秘的なことをささやきかわしていた。


世界中で差別や偏見から暴動や戦争が起こっていますが、ほんとうは皆同じ人間で、必ず楽しくやれるはずという150年前のトルストイの言葉にじんわりきました。


おわり


今日は八王子のいちょうホールに、ドイツ歌曲のコンサートの調律に行ってまいりました。

詩と音楽、歌手とピアニストが真剣に向かい合って作られた芸術、居住まいを正して心を静かにして聴く価値のある演奏でした。


シューベルト、シューマン、ブラームス、素晴らしい曲はたくさんありましたが、最後に演奏されたリヒャルト・シュトラウスの歌曲は涙なしには聴けませんでした。そしてアンコールの万霊節。。。(T_T)

演奏が終わってピアニストが目頭押さえてるのを見てまたもらい涙。

帰りの電車の中なのに、まだ花粉症のふりをして目にタオルを当てている有様です。素晴らしい演奏会でした!


愛と恋の華やかなオペラも良いですが、歌曲の芸術的な深みは計り知れないですね。


感動した詩をプログラムより。


「この世は強大であり

心も頭も苦境の中に晒される

憩え 憩え わが魂よ

そして忘れよ

お前を脅かすものを!」


大きな苦境を乗り越えて高みに至った、そういう音楽でした。


おしまい

最近のピアノ修理のことにも触れたいと思います。


昨年末から今も続いているのですが、グランドピアノの弦張り替えを2台続けてやっています。

どちらも40年くらい経ったヤマハのピアノで、弦の金属疲労が多分に感じられ音が細くて鋭くキンキンして、かといって鳴りも悪く伸びもなく、といった状態でした。


しかし、この時代のピアノ。楽器としてとっても優秀なのです。何が良いって、木の質が。


40年くらい前といえばまだ日本が景気が良かった頃です。国内のピアノ会社もどこもより良い楽器を作るために意欲を燃やしていた頃です。(残念ながらその10年後にはバブル崩壊して、ピアノ会社は経費削減して材料費を浮かす方向に傾いていき、現在に至るのですが)この時代のピアノと現在のピアノの木の質を比べるとその差は一目瞭然。質だけでなくて、木材を使っている量も今は激減しているのです。(現在のピアノには、本物の木の替わりにMDFと呼ばれる紙やおが屑を圧縮した材料を多用しています。それに木の部品をプラスチックに替えてしまっている箇所もたくさん!)当然、音を聴けばその違いにビックリします。


ちょっと話が長くなりましたが、つまり元々が良い木を使っている時代のピアノに、消耗部品である弦やハンマーだけ新しいものに換えてあげると、なんとそのピアノが新品だった時よりも良い音に生まれ変わるのです!


(またまた説明ばかりですが、木は年数が経った方が音に馴染んで良く鳴るようになっていますし。対して弦は新しい方が振動しやすい、つまり音量も音の伸びも格段に良くなるのです。ギターやヴァイオリンの奏者が演奏会前には弦を新しく張り替えるのもその理由です。ピアノはそんなに度々は張り替えられませんが。)


いきなりですが、これはグランドピアノの弦を全て外し、チューニングピンやフレームのネジを抜き、鉄骨フレームも外して、古いニスと汚れを落としているところです。


古いニスをきれいに落としたら、細かなところまで紙やすりをかけて表面を滑らかにしていきます。


そしてスプレーガンで下地を塗っていきます。


下地が乾いたらまた丹念に磨き上げて


最後に仕上げの塗料を塗ると、ご覧のとおりツヤッツヤな水面のような輝く共鳴板になります。




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