この前の日曜日、ほぼ1年ぶりに都内のとあるホールにコンサートの調律に行きました。
去年はコロナ禍にあってコンサートが激減、僕の去年のコンサートや発表会やコンクールなどホールの調律のスケジュールも3月の時点で20公演くらいが全て白紙。秋くらい
の小康状態みたいな時期に少し復活した公演もあったものの、年明けからまた予断を許さない雰囲気が漂っています。事実、この日のコンサートも直前で無観客に変更されました。
驚いたのは、ここのホールのスタインウェイフルコンの調律の記録を見てみたら、2020年2月の最後に僕が調律した時から今日まで調律された回数は、定期点検を除いてはなんとたったの4回!(うち2回はコンクールの一次予選と二時予選)
通常なら毎週末2回は、多ければ週に3〜4回も調律されて奏でられていたこのピアノが、一年でわずか4回しかまともな状態で使われなかったということです。これには驚きというよりも、悲しみしかありませんでした。
また、客席にお客様がもどってくるのはいったいいつになるのか、演奏家はもとよりホールの運営など大丈夫なのかなどと考えると暗澹たる気持ちになってしまいました。
とはいえこの日の演奏家の皆様の、こんな状況だからこそ(聴衆の有無にかかわらず)演奏ができる事に大きな喜びを感じていらしたステージでのご様子と表情を見て、大いに元気付けられました。公演がなくなってしまったとしても、演奏家の内面の音楽は全く止まっていないのだなと。
表面的で悲観的な見方ばかりしがちだった自分を改めねばならないなと感じました。
さて、この日の電車のお供だったのはアルベール・カミュの「ペスト」。10数年ぶりくらいに読み返しました。なんだかニュースで、このペストがコロナ禍の状況と似ているとブームになって品切れになるほど売れているとのこと。内容もざっくりしか記憶にないし、ブームに乗って復習しようと前日に段ボールの奥から発掘しました。
まだ半分くらいなのですが、昔読んだ時にはロックダウンするところとか現実味を感じられなかった箇所が、より切迫感を持って読める気がします。まあ、決して楽しい小説というわけではないのですが。(^_^;)
あと、帰りに東京駅で初めて現行の踊り子を見ました!周りの人たちにつられて写真も撮りました(^^)
後尾車両に蛇腹の通路のアレが付いているからさらに連結するのかと思っていたら、蛇腹むき出しのまま発進して行きました。(^_^;) なんだか面白かったです。
おわり