BGMは最近新宿のディスクユニオンで買ったカプースチンのプレリュードとマーラーの歌曲集。
音楽を聴きながら内職のような仕事をコツコツやっていると、自分はこの仕事が好きなんだなぁとしみじみ思います。
空が白くなってきた。
コーヒーも美味しい。
楽しい。
ぜひ見てくださいね(^^)
もう10年近く前になりますが、清塚さんのコンサートの調律を何回かさせていただいたことがあります。
その時に、一緒に写真を撮っていただいたことがあるんです、って清塚さんに言ったら、
清塚さんが
「ああ、そうだと思いました」
と、言ってくれました♪
さすが、スター☆
返しが絶妙です。(´ω`*)
ニッコニコで帰途に着いたのは言うまでもありません♪
#須藤ピアノ調律工房
#清塚信也
#きんききっず
#きんききっずのぶんぶぶーん
#クラシック
#ピアノ調律
昨日は中野ZERO 大ホールにてコンサートの調律をしてきました。
しかもオーケストラのコンサートです♪
主催者で声楽家の鷲尾裕樹さんにお声をかけていただきました。
全編通して作曲家の山下康介さんの曲でオーケストラにコーラスにピアノにマリンバにハープ、そしてスペシャルゲストにトロンボーン奏者の中川英二郎さんも!という、とてもとても豪華な出演者です。これだけの大きなコンサートを企画から構成から、演奏者やスタッフ集めから、稽古を重ねて本番に至るまで、たいへんな労力を要したであろうことは想像に難くありません。
素晴らしいのはコンサート自体の目的が「若手音楽家の支援のための」という、コロナ禍にあって仕事が減ってしまった仲間や後輩たちのために企画したものだったということです。なかなかできることじゃありませんよね。凄いことです。
でもその志に賛同される方々がたくさんいらっしゃったようで、クラウドファウンディングも見事に目標達成されていました。
クラシックコンサートもたくさん開催されるようになり、お客さんの足も抵抗なく会場に向くようになってきたと思います。
このままオミクロンにはおとなしくしてもらって、良い流れのまま元の活気が戻って欲しいですね。
ところで、こういう大きなホールの天井にある照明さんの部屋の窓。。。
高所恐怖症の僕には、下から見上げるだけでゾワゾワします。あの窓から下を覗き込むなんて考えただけで。。。((((;゚Д゚)))))))
]]>ちょっと前のことになりますが、11/19に催されたコンサート「ニーノ•ロータが描いた、ラジオ・オペラの世界と映画音楽」のピアノ調律に行ってきました。
場所は第一生命ホール。調律で行ったのは初めてです。
こんな有名ホールで調律できて幸せな一日でした。(^^)
それもこれも、お声かけくださった主催の奏楽会の理事のおふたりのおかげ。ソプラノ歌手の武井涼子さんとピアニストの田中健さんです。
おふたりと写真も撮っていただいて感激でした♪
公演の内容も非常に音楽的に充実かつ、エンターテイメント性たっぷりの、帰り道はみんなにんまり笑顔に(爽やかな笑顔というよりは、ちょっとシニカルな笑顔な感じに)なってしまうような、こんな面白い音楽があったなんて知らなかったよ!みたいなコンサートでした。
僕はニーノ・ロータ作曲の既知の曲はゴッドファーザーの愛のテーマくらいしかなかったのですが、オペラもとっても面白いんですね!知らなかったです。
「内気なふたり」
「自動車運転教習所」
「神経症患者の夜」
いずれも本当に可笑しくて、でも急に出てくる甘美な旋律に振り回されつつも、やはり絶妙にニンマリするような落とし所に導かれるような、とっても満足度高い上質なエンターテイメントでした。
こんなにコントみたいな、うっかりワハハと声を出してしまいそうな面白さ溢れるクラシック音楽はなかなか出会えないですね。
貴重な体験でした!
コロナ禍にあってこれだけの大きな企画の準備には想像以上の労力があったと思います。何より、芸術文化の業界を支えている方々の志と努力の上にこのような公演が実現していて、舞台芸術そのものだけでなく、その周辺の様々な人たちが助けられているのだなと実感しました。
終演後、ある舞台裏のスタッフさんと名刺交換した時に、僕が「いつもT井さんにお声かけてもらって助けてもらっています」って言ったら、「僕もそうです!」とおっしゃっていました。
ちょっと感動しちゃいますよね、そういうの。
良い音楽と、それを実現しうる環境がちゃんと存続するために尽力する方々に敬意を表さずにはいられません。m(_ _)m
]]>憧れはありましたがパソコンで絵を描いたことがなんてなかったので、初心者におすすめのソフトから使い方まで懇切丁寧に教えてもらい、なんとか描いてみました。
題材はピアノを修理している工房の雰囲気です。あくまでも雰囲気なので、実際はこんなに広くないし、もっとごちゃごちゃ機材があるし、機械の音はうるさいしホコリっぽいのですが、我ながらなんとなくの雰囲気は出ているように感じます。
修理工房って良いですよね。
暑いし寒いし汚れるけれど、
修理の仕事、大好きなのです。(^^)
コロナに加えて台風も来ていたので、発表会できて本当に良かったですね♪
でも低い方の駐車場は水浸しでした。
車は通れるけど長靴じゃないと歩けない。。。
ソリストは地元牛久市出身で新進気鋭ピアニストの平根彩乃さん。曲はチャイコフスキーのピアノ協奏曲。深い表現はもちろん、息を飲むような超絶テクニックに何度心の中で叫び声をあげたことか!素晴らしい演奏でした!!
完全に個人的な感想なのですが、リストのピアノ協奏曲を聴くときにも思ったことなのですが、こういうロマン派の協奏曲って家でCDで聴くよりホールで生で見て聴くのを意図して作られている気がします。
っていうかその時代に録音技術はなかったから当たり前の事なのですが、とにかく目で見て超絶難度の演奏に驚愕する悦びといいますか。
19世紀半ばのテレビも映画もCDもない時代ということを考えると、こういうど派手な技巧の興奮系の協奏曲ってもの凄いエンターテイメントだったのだろうなと思いました。(その最たるものがオペラなのだろうと思いますが)
血湧き肉躍るとはこのこと。いやはやスカッとしました♪
ちなみにプログラムは一曲目がシューベルトのロザムンデ序曲、次にチャイコフスキーのピアノ協奏曲で、後半はベートーヴェンの5番運命にアンコールはエルガーのニムロッド。
最後までたっぷりずっしりの大満足プログラムでした。
ところで、コンサートの前日の昼間には別のコンサートがあって別の方が調律していたようなので僕は夜のゲネプロの前には調律しに行かなかったのですが、夜9時くらいになってゲネ中に高音の弦が一本切れたと連絡が来ました。
翌朝行ってすぐに弦を張り直して、それから調律をじっくりやって、リハーサルをしてからまた再調律して、と何度も調整したのですが、そのかいあったのか終演後に何人かの演奏者の方から「前日とピアノの音が全然違う」と褒めていただきました。とっても嬉しかったです♪
コロナ禍で延期を重ねたせいで、守谷アンサンブルオーケストラの方々にとってはこのコンサートは1年半ぶりの待ちに待った公演だったそうです。無事に開催できて本当に良かったですね。
演奏からも終演後の笑顔からも、団員の方々の音楽への愛情が溢れていました。見ているこちらまで幸せな気持ちになりました。
座席制限もなくなって気兼ねなくコンサートに足を運べる日が待ち遠しいです。
音楽って本当に貴重な宝物ですね。
なくしてはならない。
戦後間もなくの大阪、皆がそれぞれ生きるためになりふり構わない時代にあって、乱暴だが面倒見の良い親分肌の主人公が妻と子に加えて頼ってくる様々な人々を守りながら悪戦苦闘していくお話です。著者のお父さんをモデルにしているというこの主人公が50歳の時点から物語は始まるのですが、その歳で初めての息子を持って「おれはこの子が20歳になるまでは死なん」と決意して、戦争の余波と荒んだ人々と面倒を見た人たちの裏切りに遭ったりしながら家族を守っていくのです。
ですが思うようにならないことだらけで、良いひと時が来たと思うとその次には悲惨などん底に落とされるので、僕は何度著者の宮本輝さんを恨んだか知れません。
守るべきものも守れず突入した完結編の第九部。
2018年に単行本が出たのですが、我慢して待ちに待った文庫本を読みました。70歳になった主人公の最期というものは覚悟しつつも、せめて最後は報われて欲しいと切望しながら。
小説でこんなに泣いたのはいつ以来でしょうか。
電車の中で読んだのが間違いでした。人は死ぬしいつか自分も死ぬ。それは避けられないことですし単純なことなのですが、死に方の幅のなんと広いことか。いろんな最期があるにしても、なぜこの最期に著者は導いたのか。でも冷酷ながらこれが現実なのかもしれません。自分の満ち足りた死に方を思い浮かべるのは容易いでしょう。でもその反対の死に方を想像するのは、実は非常に難しいのではないでしょうか。自分と、そして妻と子供たち、そして親のこと。ただの壮大な物語の圧巻のフィナーレにはならなかった、様々なことを考えさせられる涙の完結編でした。
次の朝、どんよりを引きずって起きて、朝ごはんを作っている妻に何かあったのか友達でも死んだのかと問われ(ちょっと前に友人が亡くなったので)、長年読んできた小説の主人公がと話したら「くだらな、それより早く子供たちを着替えさせて」と。たしかにそれもまた現実。そして急務。
僕がぐだぐだ考えてても、現実的にいつも休まず家族を守ってくれている妻に感謝。m(_ _)m
がんばらねば。
おしまい
]]>小さな天体望遠鏡とiPhoneで(^^)
明日息子に見せてあげよう♪
]]>まん丸い小さなスモーカーから立ち上る煙と匂いを感じながら。
キャンプ用の椅子に埋もれて。
聴いているのはコンポーザーピアニストの保坂修平さんのアルバム。
なんて落ち着くのか。
いろいろなことを考えながら、静かに静かに聴く。
密閉型のイヤホンで聴くと音楽への没入感が凄い。澄みきった音色と響き。素晴らしい音楽。
いろんな澱んだものを少しずつ洗い流してくれる。
今一番洗い流して欲しいのは、
さっきした妻との喧嘩。
1時間くらい玄関の外にいたらなかったことにしてくれないだろうか。
トホホ。
ちなみにスモーカーの中身は、燻したら絶対美味しくなると確信して買ってきたピリ辛チーカマと常連の普通のプロセスチーズ。あと朝食用に買ってあったソーセージをごっそり拝借。 それに、幼少期のお気に入りでつい買ってしまったビッグカツ(駄菓子)。これ、美味しくなる予感がします。
それにしても上質な音楽。
このアルバム、僕が調律してるのです。
それもまた幸せ。(現実逃避)
ああ
ちょっと寒くなってきた。(まだ玄関)
今聴いてる保坂修平さんのアルバム↓
https://gamp.ameblo.jp/shuheihosaka/entry-12607712672.html
https://m.youtube.com/watch?v=L21Nh8leDiU
https://ameblo.jp/shuheihosaka/entry-12593652671.html
庭で燻製をしてみました!
サーモンとベーコンをサクラのウッドブロックで一時間くらい。(途中何回も火が消えたので延べ時間)
初心者なのでちゃんとできるか心配でしたが。。。
感動の美味しさ!!!(о´∀`о)
なんて豊かな薫りなんでしょう!
ちょっと炙ってツマミにも最高ですが、これで燻製香強めのカルボナーラとかペペロンチーノとか作ったらめちゃくちゃ美味しいのではなかろうか。。。
これから暖かくなる季節。
庭で燻製作りながら傍で読書とか、考えるだけで幸せでヨダレが出ます。(^_^;)
これはハマりそう♬
次は燻製チーズと燻製半熟玉子。
そして、目指すはペラペラでレアなスモークサーモン!!(*≧∀≦*)
アップライトピアノのアクションの修理です。
最初の写真の小さなスプーンみたいな部品(その名もスプーン)が、弦を抑えて音を止めるダンパーの根元を押すのですが、そのスプーンが錆びてしまいヤスリのようにザラザラになって、それがダンパーの根元のクロスを押すものですからクロスの表面が削れて穴が開いてしまいました。
症状としては、鍵盤を下げると上がってこなかったり、ダンパーが引っかかって音が止まらなくなったりします。
こうなってしまっても大丈夫。ちゃんとスプーンの鯖を取って磨いて、ダンパーのクロスを新品に貼り替えて、調整してあげれば。。。これで元どおり! スプーンもツルツルになって輝いています♪
以上、ダンパーレバークロスよ貼り替えでした(^^)
]]>とても素敵な色なのですが、妻土台という足の先の部分の化粧板が剥がれて、下地の木が見えてしまいました。
しかも、剥がれた化粧板は「なんだこれ?」と、旦那様に捨てられてしまいました。(T_T)
なので、薄い木の板材を使って表面に貼り直して平面出しして着色して目立たなくしてあげました。ご自宅でできる程度なので全く分からないようにという程ではないですが、でも、傷があったことを知ってた人でないと気にならないくらいにはなりました。
なにより!
このくらいの修理はなんとサービス!
理想的には完璧に平面出しと色合わせをして、その上から下地の塗料と艶出しの上塗りをして、仕上げに研磨しなければお金をいただくようなレベルにはなりません。しかし、そこまでやるにはお家では環境的に難しく、ピアノを運び出してとなると大掛かりになりすぎます。
なので、家でできるこのくらいなら、サービスで良いのです。(^^)
なんと言ってもお客さまの笑顔が一番ですから♪
だとしても、僕もこういう塗装の修理って、結構好きなのです。
綺麗になるのはやっぱり嬉しいですからね!
傷が気になる方は、ぜひご連絡くださいね!
(o^^o)
それにしても先生たちのダンスのキレキレ感に感心してしまいます。あんなに身体をコントロールできるなんて。グランドピアノの影に隠れて先生のいうように踊ってみたのですが、万年体育2の僕には到底真似できませんでした。(T_T)
この前の日曜日、ほぼ1年ぶりに都内のとあるホールにコンサートの調律に行きました。
去年はコロナ禍にあってコンサートが激減、僕の去年のコンサートや発表会やコンクールなどホールの調律のスケジュールも3月の時点で20公演くらいが全て白紙。秋くらい
の小康状態みたいな時期に少し復活した公演もあったものの、年明けからまた予断を許さない雰囲気が漂っています。事実、この日のコンサートも直前で無観客に変更されました。
驚いたのは、ここのホールのスタインウェイフルコンの調律の記録を見てみたら、2020年2月の最後に僕が調律した時から今日まで調律された回数は、定期点検を除いてはなんとたったの4回!(うち2回はコンクールの一次予選と二時予選)
通常なら毎週末2回は、多ければ週に3〜4回も調律されて奏でられていたこのピアノが、一年でわずか4回しかまともな状態で使われなかったということです。これには驚きというよりも、悲しみしかありませんでした。
また、客席にお客様がもどってくるのはいったいいつになるのか、演奏家はもとよりホールの運営など大丈夫なのかなどと考えると暗澹たる気持ちになってしまいました。
とはいえこの日の演奏家の皆様の、こんな状況だからこそ(聴衆の有無にかかわらず)演奏ができる事に大きな喜びを感じていらしたステージでのご様子と表情を見て、大いに元気付けられました。公演がなくなってしまったとしても、演奏家の内面の音楽は全く止まっていないのだなと。
表面的で悲観的な見方ばかりしがちだった自分を改めねばならないなと感じました。
さて、この日の電車のお供だったのはアルベール・カミュの「ペスト」。10数年ぶりくらいに読み返しました。なんだかニュースで、このペストがコロナ禍の状況と似ているとブームになって品切れになるほど売れているとのこと。内容もざっくりしか記憶にないし、ブームに乗って復習しようと前日に段ボールの奥から発掘しました。
まだ半分くらいなのですが、昔読んだ時にはロックダウンするところとか現実味を感じられなかった箇所が、より切迫感を持って読める気がします。まあ、決して楽しい小説というわけではないのですが。(^_^;)
あと、帰りに東京駅で初めて現行の踊り子を見ました!周りの人たちにつられて写真も撮りました(^^)
後尾車両に蛇腹の通路のアレが付いているからさらに連結するのかと思っていたら、蛇腹むき出しのまま発進して行きました。(^_^;) なんだか面白かったです。
おわり
調律に行ったら、こんなまん丸の子がいました♬੯ू❛ัू ໒꒱
まん丸!!(´ω`*)
しかも、昨日トリミングしたてだそうで、フワッフワの触り心地。
さらにとっても懐っこくて可愛い子でした。
それにしてもなんて丸さ。。。
友達に教えてもらったのですが、ビションフリーゼカットというのですね。
お客さまから預かってきた部品なのですが、いったいどんなぶつけ方をしたのでしょう。鍵盤蓋や鍵盤も含めて周辺の部分はとても綺麗なのですが、ここだけ抉れるように傷が付いているのです。
このピアノは他の修理もあってアクションを預かってきていたので、この口棒の傷修理はなんと無料サービスでさせていただきました!!
ポリエステルの塗膜の下まで掘れて木が見えています。周辺のバリを滑らかにして、パテで埋めて平面出しをします。
そうしたらその上から黒の塗料を丁寧に塗っていきます。 パーツやパネルの一面を全部塗る場合には大きなコンプレッサーとエアガンを使いポリエステルやポリウレタン塗料で厚く塗るのですがですが、ピンポイント補修なのでプラモデルなどを塗るようなエアブラシを使いラッカー塗料で塗っていきます。
さて、何回か重ね塗りしてパテの色が全く見えなくなりました。 傷の周辺をやや広めに塗っていきます。
しっかり乾燥させてから、最後の艶出しの工程です。 新たに塗装したところと元の塗膜の表面の境目が分からなくなるくらいに丁寧に磨いていきます。
これで完成!!
どうです? なかなか良い仕上がりでしょう?!
無料サービスの修理でも手を抜きませんよ!
お客さまもツルツルになった部品に、どこに傷があったのか分からない!と驚いてくれました! 何より嬉しい反応です(^^)
傷の修理、大好きなのです。ピアノがピカピカ綺麗になって、僕自身とても嬉しかったです!
でも読み返すたびに新しいところに感動したりします。 今日感動したのは、
1812年、ナポレオン率いるフランス軍はモスクワ侵攻したものの冬に耐えきれず撤退する場面で、それを追うロシア軍と捕虜になったフランス軍の兵士たちが、寒い夜の雪の森の中、焚き火を囲んでお互いの国の歌を歌い合う。敵も味方もどちらにも笑顔とお互いへの敬意が自然にわいてきて、
「やっぱり同じ人間だよ」と、年寄りのひとりが外套にくるまりながら言った。「胡瓜のつるに茄子はならねえものよ」
「ほう!こりゃすげえや!どうだね、あの星の数は!冷え込むぞ…」そして、みなしずかになった。
星は、もうだれも見ていないことを知っているように、黒い空でふざけていた。ぱっと燃えたったり、すっと消えたり、ちかちかゆらめいたりしながら、星たちはせわしげに何か嬉しそうな、しかし神秘的なことをささやきかわしていた。
世界中で差別や偏見から暴動や戦争が起こっていますが、ほんとうは皆同じ人間で、必ず楽しくやれるはずという150年前のトルストイの言葉にじんわりきました。
おわり
]]>今日は八王子のいちょうホールに、ドイツ歌曲のコンサートの調律に行ってまいりました。
詩と音楽、歌手とピアニストが真剣に向かい合って作られた芸術、居住まいを正して心を静かにして聴く価値のある演奏でした。
シューベルト、シューマン、ブラームス、素晴らしい曲はたくさんありましたが、最後に演奏されたリヒャルト・シュトラウスの歌曲は涙なしには聴けませんでした。そしてアンコールの万霊節。。。(T_T)
演奏が終わってピアニストが目頭押さえてるのを見てまたもらい涙。
帰りの電車の中なのに、まだ花粉症のふりをして目にタオルを当てている有様です。素晴らしい演奏会でした!
愛と恋の華やかなオペラも良いですが、歌曲の芸術的な深みは計り知れないですね。
感動した詩をプログラムより。
「この世は強大であり
心も頭も苦境の中に晒される
憩え 憩え わが魂よ
そして忘れよ
お前を脅かすものを!」
大きな苦境を乗り越えて高みに至った、そういう音楽でした。
おしまい
]]>昨年末から今も続いているのですが、グランドピアノの弦張り替えを2台続けてやっています。
どちらも40年くらい経ったヤマハのピアノで、弦の金属疲労が多分に感じられ音が細くて鋭くキンキンして、かといって鳴りも悪く伸びもなく、といった状態でした。
しかし、この時代のピアノ。楽器としてとっても優秀なのです。何が良いって、木の質が。
40年くらい前といえばまだ日本が景気が良かった頃です。国内のピアノ会社もどこもより良い楽器を作るために意欲を燃やしていた頃です。(残念ながらその10年後にはバブル崩壊して、ピアノ会社は経費削減して材料費を浮かす方向に傾いていき、現在に至るのですが)この時代のピアノと現在のピアノの木の質を比べるとその差は一目瞭然。質だけでなくて、木材を使っている量も今は激減しているのです。(現在のピアノには、本物の木の替わりにMDFと呼ばれる紙やおが屑を圧縮した材料を多用しています。それに木の部品をプラスチックに替えてしまっている箇所もたくさん!)当然、音を聴けばその違いにビックリします。
ちょっと話が長くなりましたが、つまり元々が良い木を使っている時代のピアノに、消耗部品である弦やハンマーだけ新しいものに換えてあげると、なんとそのピアノが新品だった時よりも良い音に生まれ変わるのです!
(またまた説明ばかりですが、木は年数が経った方が音に馴染んで良く鳴るようになっていますし。対して弦は新しい方が振動しやすい、つまり音量も音の伸びも格段に良くなるのです。ギターやヴァイオリンの奏者が演奏会前には弦を新しく張り替えるのもその理由です。ピアノはそんなに度々は張り替えられませんが。)
いきなりですが、これはグランドピアノの弦を全て外し、チューニングピンやフレームのネジを抜き、鉄骨フレームも外して、古いニスと汚れを落としているところです。
古いニスをきれいに落としたら、細かなところまで紙やすりをかけて表面を滑らかにしていきます。
そしてスプレーガンで下地を塗っていきます。
下地が乾いたらまた丹念に磨き上げて
最後に仕上げの塗料を塗ると、ご覧のとおりツヤッツヤな水面のような輝く共鳴板になります。